売却のコツ

査定依頼で失敗しやすい要因

はじめに

一般的に不動産売却というのは一生で1、2回経験する程度なので分からないことだらけです。同様に不動産査定も利用頻度としては非常に少ないでしょう。慣れないことには失敗はつきものです。ここでは不動産査定における失敗しやすいこと、誤解しやすいことについて説明いたしますので、これから不動産査定を依頼されるにあたり、上手く活用してみてください。

査定の依頼先によるトラブル

査定依頼で失敗しやすい要因、それはダントツで査定の依頼先によるトラブルです。

不動産売買という専門分野において、査定を依頼されるであろう不動産会社はいわば専門家です。専門家が「白」といったら「白」と認識してしまうことでしょう。不動産会社が悪質な業者であった場合、損をしてしまったり不要な費用を請求されてしまったりと嫌な思いをされることになります。その不動産会社が信頼できるかどうかは、最終的にご自身で見極めなければなりませんが、不動産会社を選ぶにあたってのポイントはありますので、詳しくは別の記事を参考にしてください。

一括査定サイトの安易な利用

ほとんどの一括査定サイトは1度に最大6社まで依頼することができ、不動産会社の登録数や一括で複数の不動産会社に依頼できることを売りにしています。利用された経験がある方はご存知かもしれませんが、依頼をした数分後に各社から一斉に連絡がきます。そして利用者の方でよくお話しされていたのが、6社依頼しても面倒になって結局1社か2社程度しか連絡を取っていないということです。中には、頻繁に連絡が続いて対応に困っているといった声もありました。

複数の不動産会社に依頼をして比較検討することは大切です。しかし、依頼する不動産会社を調べ1社1社の対応から吟味できるように工夫しましょう。また、一括査定サイトに登録されている業者が全て優良な業者とも限りませんので、査定や売却に失敗しないために一括査定サイトについて簡単に解説いたします。

1. 一括査定サイトを運営している会社の90%以上は不動産免許を持っていません

一括査定サイトの構造は運営者が査定希望者の情報を集め、その情報を提携している2社~6社くらいの不動産会社に流します。情報をもらった不動産会社は1件あたり1万円~2万円の紹介料を一括査定サイトに支払います。そのため、一括査定サイトは1件の情報を獲得すると10万円くらいの利益が上がります。この仕組みから、一括査定サイト運営者は査定希望の情報を不動産会社に流して仕事は完了です。その後、「その不動産会社からどんな査定価格がでるのか」「いくらで売れるのか」「本当に売れるのか」などは全く関係ありません。情報を流した不動産会社がどんな対応をするのかも全く関係ないのです。 査定情報を不動産会社に流しただけで利益が入る仕組みだからです。

2. 不動産の査定価格はあくまで予想価格です。実際に手元に残る金額ではありません

他の業界でも一括査定サイトは多くあります。「引っ越し業者」「バイクの売却」などがありますが、不動産査定と一番異なるのは「その査定金額を最終的に出すのはその査定した業者ではない」ということです。不動産会社は仲介の場合、査定をした後、売り主が了承したらその価格で一般市場に売りに出します。そこで売れなくても全く痛手がありません。最終的にお金を出すのは家を建てる方など、一般市場の方になるからです。他の業者は査定したらその金額で仕事を請け負わなければなりません。引っ越し業者などは査定した金額で作業を遂行しなければならないため、査定金額を出すのに必死です。不動産仲介の場合、よくある手段として、最初の査定金額を通常よりも高く査定をして「媒介契約(売る権利)」を得ます。そして、相場より高いため売れることはなく、数ヵ月経って「売れないので安くしましょう」といってくるのです。

3. しつこい営業をされたり個人情報が多数の業者に出回り漏洩される可能性が高くなる

一括査定サイト運営者から査定希望の不動産情報が入ってきた不動産会社は、複数社同時に情報が入るため、我先に査定希望者と連絡を取るようにします。酷い時は家に突然訪問したり、査定する物件に勝手に入ったりすることもあります。そして、査定をしたら「媒介契約(売る権利)」を得るため、複数社が売れもしない高額な査定金額を言い合うのです。

机上・簡易査定だけで売り値を決める

机上査定や簡易査定という査定方法は、現地を見ずに査定をするので依頼側も不動産会社側も非常に楽な査定方法です。

しかし、現地の確認などがなければ精度の低い査定報告になりますので、これを元に売値を決めるのは危険です。では、どういった時に利用するかというと、売却そのものを検討する時にとりあえず金額規模を知る程度が妥当です。例えば、お盆や正月に親族で集まった席で「あそこの土地は今これくらいで取引されているらしいよ。」などの話しのネタにはなるでしょう。売却の意思を固めましたら、しっかりと訪問査定や詳細査定という査定方法で依頼し、物件の価値基準を決めるようにしましょう。

査定の目的が合致していない

当サイトは不動産会社が運営しており、当サイトを通じて依頼された査定というのは、売却を見据えた査定となります。ここまで読んでいただいた方の中で、もし離婚調停による財産額の鑑定資料が必要な方、相続した際のおおよその金額感を知っておきたい方がいらっしゃいましたら、残念ながら当サイトではなく最寄りの不動産鑑定士をお探しになることをおすすめします。

売却を見据えた不動産の査定は無料なので広く活用されますが、裁判などでの立証資料としては説得力がありません。また、相続税のためなどであれば少しでも安く査定額を見積もってもらいたいでしょう。しかし、売却用の査定の場合、市場の動向に合わせての変動も含まれていたり、周辺状況などで少しでも魅力となる部分を集め比較的高めに算出するよう不動産会社が努力をしてしまいます。目的にあった査定をご依頼するように心がけましょう。

 

不動産の査定は売却活動の第一歩となります。失敗しない売却活動につなぐことができるよう慎重に進めていきましょう。